平成15年度 共同政策研究(要旨)

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      「財政危機を乗り切る予算編成−財政危機とは?・予算編成手法・アウトソーシングの活用−」

  第1章では、「財政危機」と言われている地方財政の状況を身近な家計に例えて説明することにより、状況を再認識するとともに、地方財政の歳入及び歳出の現状と推移を押さえた。さらに、政府の構造改革と経済財政運営の方針である「骨太の方針」の示す地方の自立・活性化のポイントである「自己決定と自己責任」をおさらいし、それぞれの地方自治体が状況をプラスにもマイナスにもすることができることを示した。

 第2章では、義務的経費を除いた一般財源を「自由に使えるお金」と呼ぶこととし、第1章で示したとおり歳出予算全体に占める自由に使えるお金が減ってゆくことに対する方策として減ってゆく自由に使えるお金をできるだけ効率的に使うことを予算編成面から支える手法を検討した。

 従来の予算編成手法の問題点として、次の3つが考えられるとし、それぞれの課題を整理した。

 第1の課題は、予算を査定する財政課側の課題、すなわち、財政課の職員が各事業のすべてに精通することが事実上不可能であり、結果として事業の存続の判断等を含めた大胆な査定権限を行使できないという点である。この課題の解決方法として、財政課の査定強化による予算編成が考えられる。この方策をとっている先進事例として鳥取県の事例を紹介し、留意点と課題をまとめた。

 第2の課題は、予算を要求する各部局側の課題、すなわち、予算を要求する側の各部局に地方自治体の財政全体の動向に関する感覚が欠落しやすいことと歳出の削減に際し、各部局のやる気を引き出しにくいという点である。この課題の解決方法として、部局主体型の予算編成が考えられる。この方策をとっている東京都足立区及び文京区の事例を紹介し、留意点と課題をまとめた。

 第3の課題は、予算編成に関する情報の透明性に関する課題、すなわち、住民に対して予算編成に関する情報、特に予算編成の過程に関する情報を十分提供していないという点である。ここでは、先進事例である鳥取県の状況を報告し、予算編成過程の情報公開に関する問題点と利点をまとめた。

 第1及第2の課題に対し対照的な2つの予算編成の手法を検討したが、自治体の状況によってどちらの方策が有効かが違ってくる。  財政課の査定強化の手法が有効なのは、単年度における財源不足額が多く、一時に多額の事業削減が必要な場合や、公共事業費など見直し可能な特定分野が事業予算に占める割合が高い場合である。一方、部局主体型の予算編成が有効なのは、複数年度に渡って財源の見込みがたてられる比較的に安定して財源が確保できるような自治体で、中期的に一定幅の歳出の削減を目指す場合である。

 また、予算の作成には、地方自治の主役である住民の参加が必要不可欠であり、そのためには住民が理解できる予算編成過程の情報公開が必要であると結論づけている。

 第3章では、自由に使えるお金を効率的に使うために、経営体としての効率化の観点から業務のアウトソーシングの検討を行い、さらに、アウトソーシングの手法を活用したNPOとの協働の推進を検討し、それぞれについて事業の提案を行った。

目  次

まえがき

第1章 地方財政の状況

第1節 地方財政危機を考えよう

第2節 地方財政の現状と推移

第3節 財政再建団体

第2章 減っていく「自由に使えるお金」を効率的に使うための予算編成方式の検討

第1節 「自由に使えるお金」の減少にどのように対応していくのか

第2節 現行の予算編成の手法における課題

第3節 財政課の査定の強化による予算編成手法について

第4節 部局主体型の予算編成手法について

第5節 予算編成情報における情報公開について 

第3章 歳出削減策としてのアウトソーシングの検討

第1節 アウトソーシングの導入 

第2節 NPOへのアウトソーシングの検討 

あとがき

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