平成15年度 共同政策研究(要旨)

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      「豊かな高齢社会と地域振興 −カラフル世代が創る地域社会−」

   第1章では、高齢化社会の実態と問題を正確に把握するために日本の高齢者数と人口に占める割合について現状と推移を示し、人口高齢化の要因について記述した。

 第2章では、高齢者がおかれている状況について@家族形態、A住居状況、B経済状況、C就業状況、D社会参加状況、E健康状況、F介護問題と介護保険の状況、G生活実態状況、治安状況の8項目に分け、その特徴等を記述した。

 第3章では第2章の各項目で述べた現在の高齢者の状況についてまとめ、高齢者の社会参加の必要について考察した。

 現在の高齢者は、経済的にはある程度のゆとりがあり、健康状態も日常生活には支障のない人が80%以上おり、社会参加が可能な状態にある人は多いと考えられる。

 さらに家族の中で役割が「特にない」高齢者が5分の1程度も存在し、何らかの形で社会参加している高齢者が生きがいを感じている割合は参加していない高齢者より高率であることから、役割や居場所、精神的な充足を得るよりどころを家族だけでなく地域社会に求める必要がある。

 一方、高齢者が不安を抱く要因は「健康」と「経済」であり、高齢者の医療費、介護保険給付費の増加状況、また公的年金を巡る状況を見ても、高齢者の健康を維持し、経済的な安定を図ることが高齢者自身のためだけでなく、行政、ひいては住民のためにも重要であることを示した。

 そこで、これからの高齢社会の理想として「元気な高齢者が心豊かにいつまでも元気さを維持し、地域との付き合いが疎遠になりつつある都市部において地域振興のリーダーとしての役割を担ってくれる社会」を掲げ、元気高齢者が社会に参加する形態を、@生産活動者、Aボランティア等、Bその他に分類した。また、各々の活動に参加する高齢者意欲も自ら組織を立ち上げようとするものから働きかけを待っているものまで様々であるという多様性に着目し、行政が何らかのバックアップをすることで地域社会に参加する可能性がある人を対象とし、「高齢者の地域社会参加政策」を提案することとした。

 第4章では高齢者が主体となって活動し、地域振興に寄与している事例の活動形態や活動の内容を調査した結果についてまとめた。

 第5章では第3章で掲げた理想を実現するため、「情報のさらなる提供」、「閉じこもり防止」「機会の提供」を政策の柱とし、「情報のさらなる提供」として「地域ふれあいプラザ事業」を、「閉じこもり防止」として「退職前後講座事業」を、「機会の提供」として「市民交流農園事業」「新学童保育副担任事業」の4事業を提案している。
1.地域ふれあいプラザ事業  定年退職前のサラリーマン、定年退職後の高齢者、地域活動について情報を得たい人を対象に、地域活動活性化のために情報の集約・発信、組織づくりの拠点を整備する。
2.退職前後講座事業  退職前後の年齢層の人を中心に、閉じこもりになりそうな人(特に一人暮らしの人)を対象に、関心が高い健康、経済や地域社会活動に関する講座を受講してもらい、講座の後期には受講生が主体的に運営を行っていく。
3.市民交流農園事業  健康維持や生きがい促進を目的に高齢者や退職間近の耕作希望者を公募し、耕作放棄地を行政が農家から借り上げ、農家から指導を受けながら希望する小中学生と共に農作業を行う。  収穫した作物を小中学校や福祉施設等に提供し、地域交流を促進する。
4.新学童保育副担任事業  小学校の空き教室を利用した高齢者サロンの一部を放課後、学童保育に開放し、元気高齢者に副担任になってもらうことで、学童保育の充実、子どもたちへの遊び場の提供を図る。

※副題にある「カラフル世代」は、退職後の生活を楽しく、豊かに送っている人たちにとって、退職後の生活は、画一的、横並び的にシルバー色でももみじ色でもなく、自らで自身の色を決めていくものであり、そこで描かれる色は1種類ではないと考え、また、日々の生活をカラ(ゼロ)からフル(満タン)に変えていくチャンスがある世代ということから名付けたものです。 


目 次

まえがき

第T章 高齢化の現状と推移

第1節 高齢化の現状と推移

第2節 人口の将来推計

第3節 人口高齢化の要因

 〜えんや〜コラムっと 其の壱 (高齢者体験キット)

 

第U章 高齢者を取り巻く状況

第1節 家族形態

第2節 住居状況

 〜えんや〜コラムっと 其の弐 (高齢者とは・・?)

第3節 経済状況

第4節 就業状況

第5節 社会参加状況

第6節 健康状況

第7節 介護問題と介護保険の状況

第8節 生活実態状況、治安状況

 〜えんや〜コラムっと 其の参 老人福祉施設と在宅生活

 

第V章 考察

(1) 家族形態について

(2) 経済状況について

(3) 健康状態について

(4) 介護保険・高齢者医療費について

(5) 今後の政策のあり方

(6) 私たちの提言

 〜えんや〜コラムっと 其の四

特養ホームを建設すると 県民ひとり当りはいくらかな?

 

第W章 先進事例のヒアリング調査結果

第1節 ヒアリング調査の紹介

第2節 ヒアリング結果

志木市いきいきサロン

鶴瀬公民館

NPO北町大家族

松渓ふれあいの家

葛飾区高齢者支援課

じゃおクラブ

 

第X章 政策提言

1 地域ふれあいプラザ事業

2 退職前後講座事業

3 市民交流農園事業

〜えんや〜コラムっと 其の伍 (ViVa 収穫祭!

4 新学童保育副担任制事業

〜えんや〜コラムっと!どっこいしょのコラムっと!! 其の六

元気高齢者活躍検討会議

 

あとがき

 

巻末資料 

淑徳大学国際コミュニケーション学部 守永教授 基調講義

参考文献

 


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