平成13年度 政策研究部 研究報告書

報告書要旨

自治体職員のためのNPO読本

はじめに

 「NPOとのパートナーシップ」「住民と協働で取り組むまちづくり」…
 自治体職員のみさなん、最近こんなフレーズを目にしたり、耳にすることが多くありませんか。

 「NPO」や「協働」という言葉は、今や新聞やニュースにのぼらない日がないくらい、私たちの生活に身近な存在になっています。
 けれども、この言葉の意味について、自信を持って説明できる職員はどのくらいいるのでしょうか。むしろ、身近な言葉として、頻繁に目にするようになったために、「今さら恥ずかしくて人には聞けない」と思いこみ、きちんと理解しないまま、やり過ごしている人も案外多いのではないでしょうか。
 思い出してみてください。あなたは、自治体職員どうしの会話で、こんな発言を耳にしたことはありませんか。
 「NPOってボランティアをやる人たちの集団だろう?」
 「予算が削られちゃって金がないから、安く請け負ってくれるNPOに委託しようかな。」
 「NPO支援を揚げると市役所のイメージが良くなるから、NPO向けの助成金を出すことにしたよ。」

 さて、あなたはこの発言についてどう感じましたか。この発言にまったく違和感の感じないあなた。日々の業務が忙しくて、NPOについて勉強する時間なんてないというあなた。自分の仕事はNPOとまったく関係ないと考えてるあなた。まずは第1部をめくってください。

 第1部では、忙しい業務に追われるあなたでも、昼休みに読み終えることができるぐらいコンパクトに、NPOや協働に関する基礎知識をまとめてみました。読み終えたら、もう一度さっきの発言のどこが間違っているのか、自分で答えを探し出してみてください。

 第2部は、こんな人向きの内容です。「自分はNPOについて関心もあるし、できればNPOの人たちと一緒に役所の仕事について意見交換したり、協働で仕事をしてみたい。でも、職場の上司になかなか理解してもらえなくてね。庁内の人たちに、もっとNPOを理解してもらえるような研修はできないかな。」
 職員が、等しくNPOや協働に関する知識を身につける一つの機会として、NPOについて学ぶ職員研修を導入することが考えられます。実際に、NPOに関する研修を新設する自治体も増えてきました。第2部では、職員のためのNPO研修の実態と、今後目指すべき研修の方向性についてまとめてみました。

 第3部は、平成14年2月21日に春日部市中央公民館で開催したシンポジウム「NPOと自治体のパートナーシップ」の講演録です。このシンポジウムは、NPOについて基礎から学びたい自治体職員を対象に春日部市と当広域連合の共催により実施したものです。当日、熱く交わされた発言等を誌上で再現しましたので、参加できなかった自治体職員のみなさんにも、会場の熱気が伝わることを期待しています。

 書店にいけば、NPOや協働について書かれた本は数多く並んでいます。そんな状況の中で、私たちが、あえて「NPO入門書」ともいうべき本書をつくった理由は、「NPO」や「協働」は、21世紀の地方自治を担うすべての自治体職員が、正しく理解しなくてはならない重要な概念であり、欠かすことのできない政策情報であるという認識があったからです。NPOや協働について知ることは、教養としての知識を身につけることでなく、自分自身が公務員として携わるあらゆる業務に関し、今後の仕事のあり方を考える上で重要な示唆を与えてくれるはずです。

 この本は、あなたがこれからのあなたの仕事のあり方について、そしてあなたが住むまちの将来像について考える、長い長い思索の入口に立つための、ほんのきっかけにすぎません。しかし、その小さなきっかけを、できるだけたくさんの自治体職員の方に共有していただきたい、そう考えてまとめられたものです。




自治体職員のためのNPO読本(目次)

第1部 NPOの基礎知識
  1 NPOって何?
  2 自治会や町内会もNPOなの?
  3 なぜ今、NPOが注目されているの?
  4 NPOに期待される役割
  5 NPOとボランティア、どう違うの?
  6 NPO法人になると、どんなメッリトがあるの?
  7 NPOはどんな活動をしているの?
  8 「協働」ってどういうこと?
  9 協働のメリット
 10 「協働=安上がり」ではない
 11 21世紀の「公共」の担い手
 12 NPOにはどんな支援をすべきなの?

第2部 自治体職員のためのNPO研修
  1 自治体職員のためのNPO研修の重要性
  2 自治体におけるNPO研修の実態

第3部 NPOと自治体のパートナーシップ(研究会講演録)
  1 基調講演    野島正也 (文教大学教授)
  2 シンポジウム  
   ○ 進  行  野島正也   (文教大学教授)
   ○ パネラー  新木田信明  (越谷市企画課)
             金尾美知子  (大宮ボランティア連絡協議会代表)
             熊沢隆士   (鎌倉市市民活動課)         (五十音順)

巻末資料
  アンケート集計結果
  参考文献

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